2013年3月25日月曜日
「オタクが100人のエリートに勝つ」とは?
これは東洋経済オンラインのサイトで読むことのできるサイト記事です。
「新世代リーダーの条件」私のリーダー論というテーマで、今年1月に夏野剛さんが寄稿されているものです。
夏野さんの本に関しては、私がアメブロを書き始めの頃にアメブロで紹介したことがありましたが、時代の変化を敏感に読み解く能力を備えている方だと思っています。
サイト記事の極一部です。
個人が組織に規定されなくなった
――今までの組織は誰がリーダーでも同じだったワケですか。
同じようにつくろうとした。それがもう間違い。強い組織をつくろうとしたら、100人の優秀な人を平均的に訓練するより、1人のオタクを採ってきたほうが、パフォーマンスがよかったりする。鉄道会社で100人の人間を新入社員で採って別に好きでもないのに、鉄道の仕事を覚えさせるより、もともと鉄道オタクを1人採ってきたほうが、効果的だったりする。
本人はそれが好きで好きでしょうがなく、知識もあり、しかも関心がある。いろんなクリエイティブなことを考えるワケです。1人のオタクが100人のエリートサラリーマンに勝ってしまう時代になった。個人であっても、莫大な情報収集能力と情報発信能力を得て。
昔は、人の個性よりもどこの組織に属しているかで、その人の得意分野とか、情報収集能力を規定してしまっていた。たとえば、生命保険会社に勤めている時点で生命保険のことは詳しいけども、全然違うことは素人なはずだと。属している組織でその人を見るというのが、日本の高度成長期に形作られた仕組みなんです。
ところが今は、どの会社に属していようが、自分さえその気になれば、いろんな情報を収集して発信もできる。やたらワインに詳しいヤツもいるし、なぜか政治に通じているヤツとかいるじゃないですか。それは自分の関心に沿っているし、半端じゃないんですね。
オタクでいい。専門といってもどこどこの大学で何を専攻していたから専門じゃない。自分の趣味、嗜好とか、何か気になってしょうがないとか。昔は、そのメーカーにいないとその改善ができなかったが今は自分で考えてみて、これがいいとかやろうと思えばできる。
そうすると、個人がどの組織に属しているかは、参考情報にしかならない。その人が何の能力を持っているか、何に関心があるか、何を情報発信しているかは、所属している組織からは、伺いしれない状況になっている。
組織と個人の関係がドラスティックに変わってしまったということを前提に、社会システム、会社の仕組み、そして法制度とか企業慣習とか商慣習とかを全部見直さないといけない。見直さなければならないことを怠ってきたから、日本は競争力が落ちている。
昔の経験が役に立たない
――組織のあり方が変わってしまったと。
たとえば社員の生かし方も、個性のある適材適所を徹底しないといけないのに、未だに人事ローテーションをやっている。1カ所に3年ずつとか。ジェネラリストでいろんなことを経験させるとか。
「昔の現場を知っている」といっても、今とは違うんですから、まったく意味ないんですよ。たとえば、15年前の営業の現場なんてITがないですから、参考にならない。そのころ現場だった人がやるより、ほかの会社で現場をやっている人を引っ張ってきたほうが、よっぽどいい。自分の会社で新しいやり方を導入できるから。
確かに、オタクと言われる人の中には、卓越した専門知識を持っている人が多くいると思います。
その能力を上手く活かせる企業や、能力を見抜く眼力を持った器の大きい経営者がいるのかどうか?という事も大きな問題になるのではないでしょうか。
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